川崎仙台薪ストーブの会:クローラの修理完了
MM氏が故障したクローラのエンジンを載せ替えて再生してくれました。最初の図が新品同様輝いている本体で、挿入図はプーリー、ベルト、ステーも含め載せ替えたエンジンです。次図に起動方法他を示します。
以下が作業の詳細報告です。
CANYCOMクローラ―の修理調査報告 その2‘15/04/19 作成
【方策】エンジンが掛り悪い巻き上げ機のエンジン取り付け寸法をチェックすると、CANYCOMクローラーのエンジン取り付けベース板に載せ換えが可能なので、エンジンを整備し載せ換えてCANYCOMクローラーを修復する。
【エンジンスペック】ヤンマーディーゼル製でG35タイプ・0.182ℓ・連続定格出力 3PS/1500rpm 3.5PS/1800rpm ・最大出力 5PS/2000rpm でCANYCOMクローラーのエンジンと同等スペックだった。
【巻き上げ機のエンジン整備】燃料経路(ガソリンタンク〜キャブまで)全てを分解整備する。
① ガソリンタンクを外しガソリンを抜き出すと、ガソリンが赤茶錆色に変色し錆も一緒に出てきた。タンク内の錆が少なくなるまで清掃を繰り返したら、盃二杯分の錆が出てきた。
② 燃料開閉コックから燃料漏れが生じていた。ゴムパッキンが硬化し弾力がなくなり隙間から漏れている。皮パッキンで代換え品を作成し簡易フィルターも作成し、ねじ部はシールテープでシールして取り付ける。
③ キャブの下部タンクを取り外すと錆が溜まっており、タンク内面も錆びておりサンドペーパーで錆を取り除く。アルミダイキャスト部分は白い粉で腐食しておりブラシで除去する。全てのノズルはエアーで清掃し貫通している事を確認する。アイドリング調整ねじは元と同じ位置に戻す。
その他の分解整備
④ 点火プラグの清掃。それ程ひどくはなかった。
⑤ エンジンオイルは汚れてなかった。
⑥ エアークリーナーの清掃。油汚れがひどく粗い油でブラシ清掃し、取り付け金具の変形を修正する。
⑦ 駆動プーリーの取り外し。プーリーのボス径がφ20mmでCANYCOMクローラーと同じ。プーリー外形がφ75mmのAタイプで、CANYCOMクローラーのプーリー外形はφ100mmのBタイプなので交換する。軸が錆びていてプーリーがびくともしない。浸透油を塗布し一昼夜放置後、プーリー抜きで再トライ、少しずつ抜けてきたが途中でプーリーの縁が破損する。再度浸透油を塗布し二昼夜放置後、だましだましプーリーを抜き、キーと軸の錆落しを実施しφ100mmのプーリーがスムーズに入る事を確認する。
【エンジンの載せ換え】
CANYCOMクローラーのエンジン取り付けプレート(青色)に載せ換えた状態で、駆動プーリーも交換し、ベルト押さえステーも移設する。
【組み上げ】
エンジンを載せるのに、燃料タンクを外ししてからエンジンを取り付け、本体カバーの一部を外して燃料タンクを取り付け後、本体カバーを留める。燃料タンクが本体カバーに当たっており隙間なし。エンジンを載せ換える事でプーリー軸位置が若干高くなり、今までの駆動用Vベルト(LB35)が短くなりVベルトを交換する。
コメリに行ったらBタイプのベルトは無くAタイプのみなのでAタイプを使用する事にする。プーリーへの食い込み量が異なる為、二度程返品し最適なベルトはA35に決まる。
以上がエンジン載せ換え作業の全貌です。