川崎仙台薪ストーブの会:猪と除染、民を罔(あみ)するもの、臨時B作業

爽やかな秋晴


久し振りのYA氏の作品です。何となく眼があるようにも見えます。置物にすると可愛いイノシシですが、実際は困りもの。


写真(8-13撮影)は休憩小屋の少し手前、轍の間の踏み固められていない部分を猪がミミズを餌にするために掘り返した跡です。歩いたYM氏が気がつきました。車で通ると気がつきません。
原発事故で全住民が避難した福島の村は猪や猿などの野生動物の天下となっているのはしばしば報道されています。除染後に農業が再開されたときの食害は容易に予想できますが、掘り返すという猪の習性が除染そのものの障害となることは猪に荒らされた−この写真どころではない−田圃を見て初めて実感できました。


田畑の除染では表土を油圧ショベルで剥ぎ取ってフレコンバッグに保管しますが、猪が掘り返すと何が表土か分らなくなってしまいます。そこで、たとえば5cm(目安はこのくらいのようです)はぎとって客土すればよいところを15cmとすると、処理すべき汚染土は3倍になってしまい、どこに保管するか - - -。

除染で腹立たしく思い出すのは手抜き除染報道です。某新聞の記者4人が計130時間「張り込んで」作業員が落葉の塊を川に蹴りだした等執拗に糾弾しました(www.asahi.com/special/tenuki_josen)。こっそり見張って証拠写真という根性を隠すどころか誇っているのがなんとも悲しい。フレコンバッグからこぼれ落ちた落葉の塊がどんなものかは130時間見張る代わりに除染作業を少しでも体験してみれば分ることです。
「民を罔する」という言葉があります(孟子)。罪を犯さずにはいられない状況に民をおいて罰するのは魚を追い込んで網ですくうようなものだ、という意味です。現代においてはお上だけでなく新聞も「民を罔する」ようです。いや、この場合は環境省の監視が緩いと騒ぎ立てもしたのですから新聞はお上より“苛”です。この場合の“苛”はイジメですね。新聞は虎より2段上のようです。
この報道は新聞協会賞を受賞したそうですから、この岡っ引き根性は多くの新聞に共通しているのでしょう。流行に乗って某A新聞バッシングをしようという意図はありません。

昨晩の月蝕を肴にご機嫌斜めならず、明日は酔い覚ましに体を動かそうかと思い立ったひとからのメールで臨時B作業。薪の会の作業で現在律速(ネック)の搬出を何とかしなくちゃ、と衆議一決。衆とはこの際3名でした。具体的には道普請です。

左上より時計回りで、作戦を練る現場監督、その視線の先、長い材を玉切、そして搬出。

ツルハシとクワで道を拡げ、邪魔な根っこを切っています。土はふわふわでしたがミミズは目につきませんでした。今日の到達点で行く手を見る二人とその視線の先。もう10mで新しい賽の河原に到達します。搬出したものはすぐに玉切。
玉切材の中から綺麗(キノコやカビがない)で筋が良い(節や枝分かれがない)ものを選んで今日の労働分持ち帰りました。役得です。