吉村昭 三陸海岸大津波

晴 暖かい 仙台市内の市民生活はガソリン以外は平常に戻ったと云えるでしょうか。

 空いた子供部屋は物置です。殆どが本で、地震後の今は足の踏み場もない状態です。どうせ使っていない空間ですから急いで片づける必要もなく、だらだらとやっていたら吉村昭の本が今日出てきました。初めは「海の壁」と題したが少し気取りすぎているかと思い、「三陸海岸津波」と改題したとのこと。気取りすぎた題のほうが記憶には残っていました。

 読みなおしてみると、この本のメインテーマの明治の大津波より今回のほうがはるかに大規模であることがわかります。同書は明治29年昭和8年三陸津波、35年のチリ地震津波、43年の十勝沖地震津波を経験した田野畑村の古老の話でしめくくっています。「津波は - - 必ず今後も襲ってくる。しかし、今の人たちはいろいろな方法で充分警戒しているから、死ぬ人はめったにないと思う」。一代の経験だけでは、あるいは作家の想像力をもってしても、将来を予測することは難しいようです。それを越えるものが「科学」でなければならないのですが。

 一昨日ボランティアに行くのでチェーンソーを貸してくれ、と頼まれたので同行しました。却って邪魔になることを危惧しながらでかけたのですが、既に組織が出来上がっていてすぐさま行き先を指示され、気持よく働けました。チェーンソーが初めて人様のお役にたちました。年齢のせいで2日後の今日太腿が筋肉痛です。