番外23回目 臨時B作業 薪棚解体と薪束作り 薪の乾燥

曇時々晴れ、時雨

昨日の大雨をもたらした前線が東に去って徐々に冬型になり、明日はクリスマス寒波とか。朝暫く出席者皆で会のあり方etc.について意見交換。こうした機会があまり無かったので貴重な時間でした。こうしたことをもう一度1月5日のB作業の日に来た人で行い、予定には無かった1月の定例会を16日(日)に持つことにして会員皆で議論したら、ということに。

その後は理事長宅脇に作りかけの“ショウルーム的薪棚”を動かす必要ありとのことでとりあえず解体。午後は山の薪置場の雨よけのブルーシートの補強、薪割り、薪束作り。

 薪の会の規格は30cmφだがそれでは重すぎて実用的でないので22cmφの薪束を作る。この二束が薪の会の規格の一束に対応します。こうした形で理事長宅付近に置いておけば定例会(である必要はありませんが)に普通乗用車で来た人が気軽に“きもち”と交換して持って行けるのでは?

 下のの写真をとる為にわざわざ某ホームセンターで買った(498円でした)のが右側、薪の会の規格の1/2束に対応(すなわちこれ2つで 1“きもち”です)するのが左で、如何に薪の会がお得か解ります。

 ただ薪割りしてまもなくなので未乾燥ですが、こればかりは時間を貰う他ありません。

 薪についての蘊蓄で、「乾燥していない薪は水分の蒸発に大量の熱を使うので暖かくならない云々」と書いてあるのをよく見かけますが、その真偽を以前から疑っていたのでこの際数字にあたってみました。ここでは重量基準含水率を使います。薪1kgあたり水が200g含まれているなら20%、300gなら30%、という定義です。15%なら立派な乾燥薪、伐ったばかりのものは25%以上のようです。乾量基準含水率(水の重量/(全重量−水重量))という定義もあって、木材関係はこちらを使うのが普通のようです。この場合含水率100%以上ということもありえます。

 で、薪1kgで重量基準含水率が10%、すなわち水分量が100g違ったらどうなるか。薪に含まれている25℃の水が100℃に温められてから蒸発するとします(蒸発熱は温度により変わりますから計算にはこうした仮定が必要です)。25℃の水100gを100℃に温めるには(100-25)x100で7.5kcal必要、100℃での水の蒸発熱は100gあたり約54kcalとものの本にありますから足して61.5kcal。1kgの薪の発熱量約3500kcal(いいかげんな数字ですが誤差は1,2割でしょう)の2%にもなりません。一方100g燃える分が多ければ350kcal程多くの熱が得られます。61.5kcalの5倍以上の数字です。

 というわけで未乾燥薪が暖かくない主な原因は「水の蒸発に熱をとられるから」ではなく、「全重量のうちの正味の燃える薪の部分が少ないから」というべきでしょう。勿論未乾燥のものは火がつくまで水を蒸発させる必要があるから火着きが悪いというのが乾燥が必要な最大の理由です。でも、“一旦火がついたら生木を大量に抛りこんでおくと長持ちしていいよ”、とのたまわった北海道の住人もいました。

 謡曲「梅の木」では旅の僧(実は執権北条時頼)に宿を求められた主人が客を暖かくもてなすために秘蔵の鉢植えを伐って燃しますが、もし実際に生木を囲炉裏にくべたら煙で燻されてもてなすどころではなかったでしょう。また心貧しいものが裏を読もうとしてしまいました。