川崎仙台薪ストーブの会:関東甲信・東北の記録的大雪後の腹帯-(後記)北越では雪は”掘る”

曇り 無風

もはや旧聞となりましたが、2週続きの「関東甲信と東北の記録的大雪」。関東甲信とくれば次に続くはずの越はありませんでした。同じように降ったとしても備えが違い、越ならあれほどの被害や混乱には至らなかったことでしょう。


雪害と云えばすぐ頭に浮かぶのは北越雪譜(写真は近代ディジタルライブラリーより)です。「暖国の人の雪を賞賛するハ前にいへるケごとし 江戸でハ雪の降らざる年もあれバ - - 雪見の船に歌妓を携へ雪の茶の湯に賓客を招き - - 。 雪国の人是を見是を聞きて羨まざるハなし - - 楽と苦と雲泥のちがひなり。」
 (後記)何十年ぶりかで北越雪譜を面白く読み直しました。一番印象に残ったのは北越では雪を“掘る”というとのことでした。


著者の鈴木牧之(ぼくし)は現在の新潟県南魚沼市塩沢の豪商でした。彼地出身の友人に云われたことがあります。「キミイ、牧之まんじゅうを知らないの?」郷土の誇りは分かるけど、土産物まではちと手が回りません。

 「カンジキ履いて徒歩で入山します」というメールが来たのをこれ幸い、物見高く腹帯に行ってきました。今回切実な被害をお受けになった方々には申し訳ありませんが、太平洋岸にしか住んだことのない人間にとってはやはり大雪はイベントです。残念ながら携えたのは華奢な歌妓ではなく、体重80kgを超える某氏でしたが。


 
雪は結構しまっており、スノーシューでなくともなんとかなりました。小屋の梁は撓んでおり、よくもってくれたものです。まずは屋根の雪おろしから。屋根の上にも一人のっています。


 いろいろな小動物の足跡がありましたが、これは何が歩いた跡でしょう。絶対人間のものではありません。カモシカかな、ということになりましたが。


南側尾根の北斜面です。この上には伐倒済で搬出すべき材が多数埋まっているはずです。これをなんとかしなくちゃ。


北側尾根の峠付近。雪の下の材は現在それほど多くはないそうですが、今後伐倒するはずの材をどう搬出するかを検討。


 結局次のような案(模式図参照)がでました。
1. 北側尾根については今のジグザグ架線(200m長)で既伐倒木を搬出した後、架線を北側斜面に付替え(400m)て今後の伐倒木を搬出する。
2. 南側尾根についても雪が融け次第軽架線を付替えて搬出する。

 どちらもとにかく雪がある程度とけてくれないことには始まりませんが下手をするとすぐ初夏になってしまいそうです。