ゲマインシャフト

晴 無風 暖かい 枝の雪が溶けて落ちてきました

 雪が積もる前にせめて伐倒した木を下したいので22日に臨時作業をしませんか、というlumberjackclubへの提案に賛同者やら21日なら等の書込みが相次ぎ、昨21日は6名、今日は8名が作業。昨日の雪で今日は墨絵の世界でした。

 何年か前、卒業式で研究科長が“諸君は今までゲマインシャフトの中で生きてきた。これからはゲゼルシャフトの社会に入っていくのでそのつもりで”云々と祝辞で述べましたが、あとで祝賀会の席で聞いたらそのテーブルにいた卒業生は一人もこの言葉を知りませんでした。中に東南アジアへの卒業旅行から帰ってきたばかりの学生がいたので、“土産物屋は観光客にできるだけ高くモノを売りつけようとしただろう。その部分では彼はゲゼルシャフトの中で生きている。でも彼も家に帰れば、あるいは仲間とは全く違う価値観で行動するだろう。そちらの社会がゲマインシャフトだ。”と解説しましたが、アルコールの入ってからのこと、解ってくれたかどうか。
 Lumberjackclubはゲマインシャフトだと思っています。昨年12月12日“薪の会は遊び遊び”に書いたように、単に暖房のための熱量を得るためなら薪をお金で買う方が腹帯で肉体労働するよりずっと効率的です。それなのに何故薪作りに汗を流すのか?
 森を守るため?伐倒木を大量に放置してきた今までの状況ではそれほど胸をはっては云えません。また、たとえ“環境のため”を確信できても一人では絶対にやらないし、できません。薪の会のB作業に参加する最大のモチベーションはゲマインシャフトに帰属して、ひとりではできないなにか価値あることを皆で協力してなし遂げることの心地良さではないでしょうか。私にとっては薪は貴重ですが、薪ストーブを持たないlumberjackclub会員も複数います。

 前日の方々が斜面の伐倒材を20本ほどおろして枝葉の処理と玉切りとをしておいてくれた(最初の写真で雪に覆われています)ので今日はそれを薪棚前に運んで40cmに切って薪割り、薪積み。チェーンソー2台と薪割り機2台がフル回転。成果を屋根付きの薪棚に運びこみました。ちゃんと皮はついているしキノコなど薬にしたくとも生えていません。

 全部ではこの倍くらいできました。0.8×2.0×~1.2×2~4立米くらいでしょうか。「伐倒→時間をおかず運び出し→時間をおかず玉切り・薪割り→雨のかからない薪棚での保管」という当然の流れが初めてできたような気がします。これなら「資源を生かし環境の為になることをしている」と胸をはって云えるかな?